3.20.2013

無念





先日、東横線渋谷ターミナルへ。どうしても最後に見納めておきたくて。

ハチ公側の喧騒を見守るかのような、渋谷の街中に
どんと構えて横たわるアーチのターミナルは何故か安心する。
内部に上がって行くとまるでヨーロッパの大きな駅のように
プラットホームと線路が交互に寄り添ってまっすぐと延びていく。
逆アーチから垣間見える外の光と空気、天井に施された三角形の幾何学模様、
長いプラットホームに行き交うたくさんの人々の足取り。
通学路ではなかったけど、何となく好きだった。好きな駅の一つです。

不景気なんて嘘のように東京は次々と新しいものを追い求めて変わっていく。
谷と路地を残しながら超高層にこだわらない渋谷が好きだった。
ヒカリエや渋谷駅をはじめとして、これからどんどんと日本お得意の
「便利」さを求めた他と変わらない都市に変貌していく。

確かに便利になるのだろうけど、
目先の便利さが今一番重要なのだろうか。
それだけが日本が誇れる生き方なのだろうか。
世界からの観光客にみせるべきは便利さと清潔さと複合施設だけなのだろうか。

ロンドンの交通機関や公共施設は、住んでいるとなおさら不便であった。
しかし、それでも移住民や観光客を惹きつけ続ける。

日本の職人魂、作法、もてなしみたいのようなものをもっと街にも表現していくべきだと思う。
そして、街は人々生きてきたの軌跡や思い出を残してたたずんでいてほしい。

訴える人がいても総簡単に覆されない。
でもやはり寂しく、物悲しく思わざるを得ない。

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